尾張紀行

 朝から路線バスに乗り込んで、名古屋へ向かう。2年前まではこの2時間30分が通勤の一部だった。いまは、同じ時間をかければ拙宅から本務校の研究室まで行くことができる。
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 名古屋に着いてから、前任校で一緒に働いていた先生と合流し、車道(高岳?)のInnoverで昼食。ここは名古屋時代に行きそびれた店のひとつで、噂のがっつりランチをいただくことができた。駅から店までの途中、色とりどりのフェラーリ永平寺別院の本堂解体に遭遇する。
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 帰途につく前、マリオット・アソシア15Fから夜の名古屋を眺める。左手にはライトアップされた城、そしてその背後に広がるどこまでも続く夜景。傍を通る人たちの、ダガネ・ダモンデに懐かしさを感じる自分に、ここで暮らした2年間がかけがえのない時間であったことを思い知る。研究を除く、大学における仕事の大半をこの地で学んだ。そんなことを思いながら、名古屋を後にした。