公開講座

 本務校のある天理市では、山の辺文化会議という生涯学習事業がおこなわれている。同学部他学科の先生がお声がけくださり、今秋、近世文学講座と現地散策講座の講師をつとめることになった。今日はその近世文学講座の開催日ということで、蕪籬麿に乗って天理へと向かう。
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 貝原益軒の『和州巡覧記』『扶桑記勝』を軸に、本居宣長『菅笠日記』や伴蒿蹊『あし曳の日記』、それに『大和名所図会』の挿絵を絡めつつお話しした。『大和名所図会』の挿絵については、3年次生ゼミでの輪読の成果をもとに考察してみた。また、益軒から宣長、蒿蹊へと続く旅と著述の「連鎖」を、上方と江戸との文化的対立と関連させつつまとめてみた。大風呂敷を広げた感は否めないものの、補強材料を探索しながらうまく論文にまとめられればと思う。