臨時開講

 本来は次週おこなわれるはずのNHK文化センター@京都の講座を、本日に変更してもらった。欠席される受講者もあり、大変申し訳なく思う。
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 五条界隈から南、稲荷社前までの名所を紹介する。『再撰花洛名勝図会』の場合、主要な名所を鳥瞰図と各所のいちばんのみどころを描く風俗図とで紹介するというスタイルが多くみられる。これは『都名所図会』と『拾遺都名所図会』の両書からヒントを得た工夫である。
 そもそも『都名所図会』と『拾遺都名所図会』とは正続の関係にあり、両書を照合しなければ名所に関する情報を網羅できないという不便さがあった。そのため、いずれか一方に鳥瞰図と風俗図との抱き合わせで紹介される名所はほぼなく、読者みずからが両書を揃えて比較するしかなかったのである。その不便さを解消しつつ、幕末期の京における決定版「名所図会」として出版されたのが『再撰花洛名勝図会』であった。
 時間の都合もあり、このあたりの経緯は省略し、解説をおこなった。その分、蓮華王院の通し矢と西鶴の矢数俳諧、東山地域と豊臣家の関係についてふれてみた。やや口の滑りが悪かったというのが、本日の(いつもの?)反省点。