夏の採点

 留学生のレポートに目を通していると、普段は気にもとめないような自明の文化が意外に特殊だったとか、他文化との影響関係に気づかされることがある。今年もひとつ、なるほどと唸らされるレポートに出会う。詳細は書けないが、そういう切り口で捉えますか、と。
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 一方、特殊講義のレポートは例年になくよい出来栄のものが多い。学生の質ももちろんだが、テーマ設定を変えたことによる効果だと思われる。
 今期から導入されたセメスター制のせいで、これまでのような「夏休みに課題を出す」ということができなくなってしまった。半年では充分な講義時間は確保できていないと考えている(理想は1年間の受講)ので、習熟度をはかるようなテストは適当ではない。ならばということで、テーマを選択肢の中から選び、それについて2、3のポイントを踏まえたうえでレポートするというスタイルに変更したのである。「なんでもあり」よりも、適度に絞られているほうがやりやすいのかもしれない。
 とにかく、それぞれが興味をもって対象を分析したという姿勢がよくわかり、読んでいて非常におもしろい。ここ、とても重要。