隔年恒例

 昨年は、とある事情により、前期の留学生の講義は不開講だった。だから、2年ぶりの水無月の試食会。
 水無月というお菓子について、また、夏越の祓についての講義をした後、駿河屋の水無月(抹茶、黒糖を半分ずつ)をふるまう。
 味わいつつ、各国の食文化について歓談する。地域によってキムチの味の濃さが違うという韓国、さらっとした酸っぱめの醤油ととろみのある甘めの醤油とがあるという台湾、地域によってチーズの熟成期間が違うというオランダ、淡水魚のスープの味を競うレースがあるというハンガリーと、聞けば聞くほど調理実習がしたくなる。「歴史・文学」という名の講義ながら、こうした話題は場が盛り上がるのでとても楽しい。
 こうして水無月を食べたのだから、きっと無病息災で過ごせることだろう。