七夕イヴ

 本務校の学科名はコクブンガク・コクゴガッカだが、学会名はコクゴ・コクブンガッカイで、ちとヤヤコシイ。そのように思っていたら、じつは明確に名称を使い分けてはいないという説を、最近になって知る。
 本日は、その国語国文学会開催のため、朝から大学へ。10:30の天理はすでに熱気・湿度ともに高く、盆地の底力を見せつけられる。
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 自身が大学院に進学し、はじめて参加した全国学会の開催校が本務校で、その開催年に着任されたのが現学科主任で、本日の講演会の講師をつとめてくださった(師と同門の)井口洋先生はその学会で『奥の細道』に関するご発表をなさった。ひとが何かしらの「運命」を感じるとき、それはほぼ後付けのこじつけであることが多い、と思っている。多分にもれず後付けながらも、やはり、「運命」を感じてしまう四十路のゾクブツ。
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 ご講題「『奥の細道』を疑う」は二重の「疑惑」を指摘するもので、これまでにも井口先生が再三検証してこられた論考の延長にあるのだが、非常にスリリングな内容であった。件の全国大会のご発表で提示された芭蕉真筆本への疑念が、「『奥の細道』を疑う」というカノンへの挑戦に発展し、それぞれを同じ現場(本務校)で聴講する。なんというムネアツ!