オナジ轍

大学生の勉強時間を増やせ――。
 中央教育審議会文部科学相の諮問機関)の大学分科会大学教育部会は7日、学生の勉強時間を調べたり、勉強時間を増やす方策を講じたりした大学を、財政面で優遇するべきとする素案をまとめた。勉強しない学生を放置する大学に改善を促す狙い。大学分科会の審議を経て、文科省に答申される予定で、同省は2013年度にも実施する方針。大学生を勉強させるために、とうとう国が尻をたたく。
 日本の大学生は国際比較でも勉強時間が短いとされ、大学教育部会は、「日本の学生が主体的に勉強する時間は1日に講義を含めて4.6時間」とするデータをもとに、「必要時間の半分程度」と分析した。そして、このことが大学の学部教育への国民や企業からの評価が低い要因だとしている。
 素案では、こうした学生の評価を覆してグローバル化時代に対応できる能力を育成するために、大学に対し、学生の知性を鍛える課題解決型の授業の導入など、質の高い教育に転換するよう求めている。(読売新聞)

 本務校で学業とアルバイトとの両立に関するアンケートをおこなったところ、ここまで酷くはないものの、上記と大差ない結果が得られた。さらに、アルバイトの時間を減らしたとしても、勉強に費やすつもりはないという回答が少なくなかった。
 抜本的に見直す必要があるのは確かだが、勉強時間を増やすことと知性を鍛えることが必ずしも連動するとは限らないだろう。学生の自主的なやる気を引き出せるかどうかが重要なのではないか。
 ま、時間として可視化すればわかりやすくはあるのだろうけれど。ゆとりと呼ばれる世代は、減らされたり増やされたりと大変である。