アキナリ

 気がつけば、葉月も下旬。って、今週末で上田秋成展が終わってしまうことをすっかり忘れていた。まずい…。急遽、本日の仕事帰りに京都国立博物館へと向かうことにする。
 猛暑の続くこの時期の平日である。ストレスを感じることなく、ゆったりと観ることができた。

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 意欲的な企画であるだけに、近世文学研究(あるいはその周辺領域)に関わりのある者にとっては興味深い内容であった。しかし、展示のヴォリュームが妥当であったかは疑問の余地が残る。
 もちろん、秋成関連の資料は網羅されていた。一方で、秋成をめぐる人的交流に注目するあまり、彼の周辺にいた文人たちの作品群に注目が集まってしまうように感じられた。その多くが画像資料であったため、文字資料を中心に展観されていた秋成の作品群がどうしても地味にうつってしまうのだ。
 文学者の作品をこのような企画で展観することの難しさについて考えさせられる、そんな1日であった。
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 個人的には、同時に開催されていた特集陳列新収品展の曾我蕭白「蹴鞠寿老図」に癒される。