盆の帰省

 山の彼方(茨木)に住む実母を訪ねる。帰省っちゃあ帰省だが、1時間ほどの滞在で済ませる。続いて母方の祖母の家にも立ち寄るが、伯父の介護をしてくれるヘルパーの方しかいなかった。およそ5分ほどの滞在。
 思いのほか早くすべての用事が済む。じゃあ行きますかと、念願のLe Sucre Coeurへ向かうことにする。伯母の家から近いこともあり、「いつでも行けるやん」と言い続けてはや云年。ようやくその味にありつくことができた。帰り道、香ばしい麦のかおりに我慢できず、焼きたてのバトン・ブランシュ(ハチミツとナッツが入った全粒粉とライ麦のパン)にかじりつく。なんじゃこりゃ級の美味さに「もっと!」となるも、あとは家までおあずけ。
 家に着くなり、食い気をグッとこらえて撮る。

 シャバタもクロワッサンも美味いのだが、枝豆とパンチェッタにクミンをきかせたトルサド(長いヤツ)、黒と緑の胡椒とクルミと豚の背脂入りのパン・ピカン(丸いヤツ)、マルティニック産のラム酒をしみこませたブリオッシュ・マルティニック(黒っぽいヤツ)に、度肝を抜かれる。たまき亭ほどの過剰さもなく、アッシュほどの具の異種格闘技感もなく、均整のとれた完成度の高いパン。人気があるのも当然のことやね。
 あまりに舞い上がっていたせいか、隣接するQuai Montebelloのことをすっかり忘れていた。無念。今後はせいぜい実家に帰るよう、心がけたい。下心。