ミノガシ

 先頃に入稿した記事の校正を、数日かけて済ませる。こまごまと訂正をお願いし、無事校了
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 原稿を書く段階で気づかないといけなかったのだが、初刻本と再刻本とを取り混ぜていたことがわかる。初歩的ミスで、反省しきり。とにかく、校正の段階で気づいてよかった。
 『日本名所風俗図会』(角川書店)は、名所図会のことを概観する際には非常に便利な本である。取り漏らしもあるが、翻刻されているという点で学生にも勧めやすい。ただ、翻刻にミスが多く、また、底本が初刻本だったり再刻本だったりと統一されておらず、そのまま引用するには不都合が多い。そのため、普段はこの本であたりをつけてから原本をみるようにしている(もちろん、講義でもそのように注意をうながしている)。
 今回もその手順で原稿を書いていたのだが、架蔵本に初刻と再刻の両書あるのがいけなかった。
 『日本名所風俗図会』に載る『都名所図会』は再刻本が底本になっている。そこに記された文章を再刻本で確認。が、出版社に送った挿絵は初刻本からとった画像データ。つまり、本文の引用は再刻本なのに資料は初刻本を使用するといった具合で、「てれこ」にしてしまっていたのである。結局、すべて初刻本のほうに統一してもらった。
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 いくら急いでいたとはいえ、今後は気をつけねばならぬと肝に銘じた次第。