クリハラ

 講義の空き時間、講師控室でのこと。隣席ではネイティヴ(英語)の先生方が和やかに談笑をされている。英語を苦手とする者には聞き覚えのある簡単な単語しかわからないので、何を話されているか皆目わからない。そこへ突然、馴染みのあることばがばんばん飛び出す。
 「イッチロォ」、「イッチロォ」、「オオ、イッチロォ」。
 さらに、「ノォモォ」、「ノォモォ」、「オオ、ノォモォ」。
 ややあって、「マットゥイィ」。
 ああ、野球の話しをされてるのだなと納得する。やがて、ひとりの先生が「クリハラ」と言いだしたので、てっきりあの栗原だと思いこんでいた。ところが、「ヴァリィボォル」と続けられてガックリする。女子バレーのほうか、と。
 栗原に大リーグ移籍の話しでも持ち上がったのかと、テンションがあがったのに。ま、そりゃそうか。