ブンガク

 名所図会というテクストの性質上、研究対象として扱われる専門領域は、歴史学社会学、文学など多岐にわたる。ゆえに「歴史を専攻されているのですか」とか、「名所図会のどこが文学なのですか」というような質問を受けることは珍しくない。もちろん無自覚なわけではないのだが、誰をも納得させることのできる明確な答えはいまだみつけだせないでいる。
 過日も某所でそのような質問(詰問?)にあい、それなりの受け答えができたように思っていた。ただ、最後の最後で「結局それって文学なの?」と問われ、思い上がりでしかなかったことを知らされた。
 だから、先日の、海の向こうの大学院生のような存在に出会うと、少しだけホッとする。