表紙汚レ

 古書をネット検索していると、「表紙汚レ、題簽欠ケ、中身上刷リ」などと注意書きされている本があったりする。汚れ具合にもよるが、よほど酷くない限り、中身の状態さえよければ購入することがある。実際、そのほうが値が安く、手が出しやすいというメリットもある。
 新聞連載用に購入したコレも、そのクチ。
(暗い…)
 中身はほぼ虫食い無しでありながら、表紙の傷みはかなりのものである。単に保管状態が悪かったということならば、それなりに中身にも影響はあるはず。おそらく、表紙はあとでしかえたもので、その際に使用した糊だけ虫嘗されたのではないか。ちなみに、師にお借りしていた同書は表紙色が黄であった。
 個人が所蔵する分には問題ないものの、図書館や博物館は購入しないであろうということで、相場の半額以下で手に入れることができた。喜悦。