随筆大成

 もっぱら大学図書館のものを使用しているが、いつかは手元に置きたいと願う。金額的な面はともかく、場所をとるというのが最大の問題か。
 今年の夏期休暇は第一期の3巻を貸借中。所収の暁鐘成著『雲錦随筆』を閲覧するためである。昨年末に原本を入手したものの、これが日常的に読むにはまったく不向きなのだ。1862年文久2)の刊行にしては保存状況が良いとはいえず、若干の虫損もみうけられる。鳩居堂の「特製防虫香」が必須の状態である(こういう場合、師はナフタリン・ペーパーを愛用されていた)。

 前所有者は資料館か図書館あたりとみえ、整理用のシールが貼ってある。せめてもう少しきれいに保管できなかったものかとつくづく思う。
(モズの早贄、カエル飼育者としては衝撃的な図画)
 おそらく、こうした現物を手にすることができるのが、この時代を研究対象とする醍醐味なのであろう。得ることが多い。これを使ってなにか書けないか、目下画策中。