四百年前

 先日、「四百年前社寺建物取調書」という382枚にもおよぶ記録が発見されたことを朝日新聞の地方版(京都)で知った。なんでも、1884年(明治17)前後に京都府下にある社寺建築について調査した際の記録だという。
 『再撰花洛名勝図会』は1864年(元治元)に出版された図書であるが、残念ながら「東山之部」のみの刊行で、完成をみないまま今日に至る。もしも全巻が揃っていたならば、幕末期の京都(特に寺社・仏閣)のようすを知るうえで貴重な資料になっていたことであろう。今回みつかった「四百年前社寺建物取調書」の成立とは20年ほどしか違わない。しかし、この期間に廃仏毀釈がおこっていることを思えば、両書を比較することでいろいろなことがみえてきそうである。少なくとも鴨東地域については可能だ。
 調査にあたられた金沢工業大学の山崎幹泰先生のご講演があるそうなので、忘れないように気をつけよう。11月7日の金曜日、場所は京都府立総合資料館。よし。