記号論的
先日、悩めるKNさんに「文学の論文って何ですか」と尋ねられ、とりあえず「力のみせどころ?」と答えた。また、KNさんの横にいたKBさんは「自己主張」と自信を湛えながら言った。
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朝から体調が思わしくなく、仕事にもならないので、ソファにだらしなく横たわりつつ読書する。深く考えずに読め、かつKNさんが答えをみつけるための手引きになるかもと、書庫から思い出したように漁ってきた本はこれ。
- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1990/01/26
- メディア: 単行本
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「深く考えず」に読んでいて、ふと思いつくことがあったので、メモしておく。
C.S.パースがいうところの記号分類によって「名所図会」群の機能を説明するならば、類像=風景をありのままに描く挿絵・指標=名所に関連する和歌や発句、漢詩あるいは故事説話・象徴(性)=各地域の特質を反映させた編集スタイルにより、イメージの固定化を図る、となろう。また、「名所図会」群の出現により名所は記号化され、体系化された、といえる。「おらが国自慢」でなく、「差異の体系」としての「名所図会」群。
あくまでも思いつきということで、ウダウダと考えながら過ごした、葉月初巳の日曜日。