大トラか

 朝から、黄金週間に行くはずだったMIHO MUSEUMへと向かう。
 あいにくの天気ではあったが、現地ではほとんど降られることなく、敷地内を散策しつつ本館へ(実際にはシャトル・カートで送迎してくれる)。

 めあては春季特別展の「長沢芦雪―奇は新なり」。ここの館長がものした『奇想の系譜』により、若冲・簫白・芦雪の名が広く知られるようになったといってもよいだろう。それだけに、展観内容への期待も高まる。
 目玉は新出の「方寸五百羅漢図」で、およそ3センチ四方の紙に夥しい数の羅漢と神獣たちが描きこまれている。芦雪自身も天眼鏡を使用して描いたという。構図や描写の斬新さだけでなく、奇をてらった発想に驚かされる。
 「東山名所図屏風」や「寒山拾得図」・「竹に蛙図」など、観たかった作品にまみえることはなかったが、無量寺の「龍図虎図襖」が四神相応をもちいた配置になっていることなどを知ることができた。
 「酔李白図」の酩酊すがたに、芦雪のトラぶりを想った、そんな一日。