ツウコン

 小学6年生のころに通っていた進学塾が実にスパルタで、テストの点が悪い塾生には講師ぞれぞれの得意技で罰が与えられた。竹刀や竹刀が割れた際にできた細い竹を使っての尻叩きに国語辞書による投下型爆弾、獄門さながらの長椅子上での正座と、いまなら保護者からの苦情が殺到しそうな「虎の穴」っぷりであった。また、肉体的な罰に加え、「不合格」「宿題忘れ」といった朱印を顔に押すなどの精神的な責めもあり、公共交通機関を利用する塾生たちを震撼させていた。
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 今朝、資料の入った鞄を机の横に置いたまま、気づかずに出かけた。痛恨のミス。なんとか切り抜けたが、相手があの塾の講師陣だったならきっと、「忘れもの」と大きく書かれた判子を頬に押されたに違いない。猛省。