東西対立

 昨日の伏見学では瀧澤馬琴(曲亭と書くべきか)と橘南谿のそれぞれの随筆が呼応する箇所を紹介した。もちろん、両者に直接的な対面などはなかったはずである。しかし、ほぼ同じ「話題」について記述しており、余白に滲み出る両者の「対立」を読みとることができる。
 前者は1802年(享和2)刊、後者は1829年(文化12)の出版であるが南谿自身は1805年(文化2)に没しているため、ほぼ同時期に記されたものと考えてよかろう。江戸の馬琴に京の南谿。一見して結びつきそうにないこの両者が残したディスクールは、非常に興味深い対象である。いいネタ、みつけた。