文理研の

 後日記録をば。
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 文理研のレポーターにあたっていたので、夕方、レジュメをきって、郵便物の投函準備をし、家を出た。あとは京都駅で伊勢丹カードの支払を済ませ、研究会用のおやつを購入すればよいだけ。のはずだった。
 入ろうとした伊勢丹は停電のため封鎖、いつ復旧するかわからないという。南北自由通路も地下街もあり得ないほどの混雑で、文理研の前にすでに疲弊。駅ビルを囲むように消防車と救急車とレスキュー隊員と警察官と報道陣、そして空にはヘリコプター数機が飛行し、まるで大事件が起こったかのようなものものしい雰囲気に包まれていた。集中管理のあやうさを知る。
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 ジョナサン・カラー『ディコンストラクション』第2章前半部を担当する。前回のレポーター時と同様に、「必殺、風流1枚レジュメ(今回はやむなく両面ヴァージョン)」で発表。発表用資料は長けりゃいいってものでもないし、省略のし過ぎは作成者の主観的歪曲がはいりやすいし、そのさじ加減が難しい。
 ジャック・デリダを、脱構築を、理解するということの困難さと不可能性。安定した秩序や論理を突き崩しつつも、そのことを目的とはせず、安易な「わかりやすさ」を退けること。そんな感じだろうか。もしこの雑感が妥当だとすれば、非常に明解にデリダをまとめたカラーの目論見はすでにデリダ脱構築の的となる性質をそなえていることとなり、それを読んで理解したつもりになっている者をも喝破するのかもしれない。

新版 ディコンストラクション〈1〉 (岩波現代文庫)

新版 ディコンストラクション〈1〉 (岩波現代文庫)