運の尽き

 松の内(昔は15日までだったような…)も終わり、明日からはもう「えべっさん」。特に商売繁盛を祈願する必要がないので、詣でる計画は今のところない。
 「えべっさん」で思い出されるのは小学4年生の時、地元、茨木神社でのこと。当時、父が会社を経営していたので、必ず十日戎に詣でていた。境内では福笹が売られ、それに福飾りをつけていく。基本になる福笹は籤引き形式で、よい籤を引くと豪華な飾りつけが施された笹が、よくない籤を引くとごくシンプルに笹のみが手渡される。後者の場合、福飾りは自腹を切って購入することになる。
 その年は何故か父に籤を引けと言われ、黄色と紫色の丸い籤を引いた。すると「大当たり」。例年とは比較にならないほどの福笹を手に入れることができた。商売繁盛の御利益があったかどうか今となっては知る術もないが、なんとなく誇らしい気分になったのを覚えている。
 あれ以来、籤引きで当たりを引いた例がない。父の会社もなくなったことを思えば、あれが運の尽きだったのかも知れない。それにしても、尽きるの早過ぎ。