消しゴム

 練り消しに、匂いつきに、小学生の頃はいろんな消しゴムが流行った。カレーやチョコなんかはかなりよくできていて、その匂いに空腹感を煽られたものである。
 いちばんハマった消しゴムはなんといってもスーパーカー・シリーズ(キン消しじゃない)。なるべくたくさんの車種を、そして、同じ車種でも色違いを揃えることに夢中だった。そのうち、ノック式ボールペンのバネを利用してレースをするようになると、タイヤにセメダインを塗って滑りをよくしたり、通常ひとつしか入っていないバネをふたつ重ねて跳ね返りの力を強めたりもした。
 ランボルギーニカウンタックとポルシェをこよなく愛していたので、いまでも街で見かけると「おっ」となってしまう。アメ車ならポンティアックトランザムあたりは映画(かの『トランザム7000』)の影響で好きだった。祖母の家の近所でファイヤーバードに乗っている人がいて、車高が低くてやたらに平たいその姿をよく眺めたものだ。
 海の向こうではエライことになっているみたいだが、そのニュウスを聞いて消しゴムのことを思い出した金曜日の夜。