古井由吉

 腹が膨れているときに読みはじめる類の小説ではなかったと後悔する。その筆致に惹きつけられる反面、冒頭の食堂車での描写に満腹感が煽られる(う、うっぷ)。

山躁賦 (1982年)

山躁賦 (1982年)

 見知った土地の名前が頻出し、しばし頭のなかの地図に遊ぶ。地図マニアの妄想。