宮沢章夫著『東京大学「ノイズ文化論」講義』

 久方ぶりに早起きをする。敏感性鼻炎が酷く、眠っていられなかったためだ。こんな日はたいていテンションが高いので仕事がはかどる。が、しなくていいこともしてしまうのがよろしくない。
 朝食をとり、新聞を読む。その後、レザー製のソファに保護クリームを塗り、賞味期限切れ間近のクリームチーズをスフレタイプのチーズケーキに仕上げる。校正原稿を郵送しに出かけて、雨に降られる。


 昼食後、ソファに腰掛ける。目の前の机をふと見ると、この本が置いてあった。

東京大学「ノイズ文化論」講義

東京大学「ノイズ文化論」講義

 先日、家人が図書館から借りてきたうちの1冊。「ノイズ」について書かれた書籍=秋田昌美の本と勝手に思い込んでいたので、著者をみて納得する。ああ、続編か。
 『宝島』をA5版時代から読んでいたので(かろうじて)理解はできるが、用語レヴェルで読む人(講義記録なので、聴く人、か)を選ぶだろうなと感じる。いまさらピテカンとか言われても多くの人はピンとこないだろうし、まして東京(の文化)に馴染みのないものにとってはなおさらだ。
 排除されるもの=ノイズとするやり方自体はそれほど目新しいものではない。真っ先に思い浮かぶのは、本文中に取り上げられてもいる網野善彦か。そこにミシェル・フーコーあたりが混じってくると、この本みたいになる。たぶん。
江戸のノイズ―監獄都市の光と闇 (NHKブックス)

江戸のノイズ―監獄都市の光と闇 (NHKブックス)

 そうそう。実際の講義ではMerzbowの曲を流していたようなので、直感は外れていなかった。