音訓異義
「粋」と書いてどう読むか。音ならばスイだし、訓ならイキということになる。
九鬼周造の著作に『「いき」の構造』というのがある。
- 作者: 九鬼周造
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1979/09/17
- メディア: 文庫
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ところで、父方の祖母は摂津の出で、母方の祖母は和泉の出なのだが、ふたりともに粋であることをイキではなくスイという。その読みがいつの時代から有効であったかはおくとしても、彼女たちがいうスイがイキと同義でない可能性は多分にあるだろう。サピア・ウォーフの仮説ではないが、この読みの違いに、九鬼への違和感を解消するヒントがあるのかもしれない。